さて、今回は実質利回りの話です。
表面利回りはマスターできたでしょうか?
まだの人は表面利回りの計算から
勉強してみてください。
不動産投資で最初に計算するのは
表面利回りです。
物件の絞り込みができたら、
今回の実質利回りを計算します。
実質利回りの計算をしっかり
しておかないと物件購入後に、
「思ったとおりに利益がでない!!」
なんてことになるので、
しっかり計算できるように勉強してください。
計算式は難しくない
実質利回りを計算する式は次のとおりです。
年間家賃の調べ方は
表面利回りの計算
を読んでみてください。
例えば、
- 家賃10万円/月
- 年間経費が3万円/月
- 物件価格が2000万円
- 購入経費が200万円
の物件の場合はどうでしょう?
表面利回りは、
表面利回り=120万円÷2000万円×100=6%
と、計算できます。
では、実質利回りは、
実質利回り=(120万円ー36万円)÷(2000万円+200万円)×100=3.8%
と、計算できます。
ここで年間経費を3万円、
購入経費を200万円としました。
でも、何が含まれているのでしょう?
ここから経費の中身について説明していきます。
どんな経費が必要なのか?
実質利回りを計算するために、
毎年かかる経費を求める必要があります。
これは区分マンションや戸建て、
一棟物によって変わってきます。
経費と調べ方について解説していきます。
年間経費
年間にかかる基本的な
経費は次のとおりです。
- 固定資産税
その物件を取り扱っている
不動産屋さんに聞いてみてください。ちゃんと教えてくれます。おおまかであれば自分で
計算することも可能です。 - 管理費・修繕積立金
多くの区分マンションは管理組合を作って集めています。
広告に書いてあることがほとんどです。分からなければ不動産屋さんに
問い合わせてください。 - 管理会社の物件管理費
その物件の大家さんになった後、
管理会社さんに家賃振込みなどの
管理をしてもらうのに必要な経費です。
家賃の3~7%が目安です。
計算する場合は5%としておけば問題ないでしょう。
物件を自主管理をする場合は不要です。
他にも色々と経費はかかります。
例えばエレベーターが付いている
一棟物ならエレベーターの管理費が必要になります。
基本的に毎年必要な経費でその物件を評価します。
年間経費の計算として、
- 一棟物・戸建ては「固定資産税+物件管理費」
- 区分マンションは「固定資産税+物件管理費+管理費・修繕積立金」
となります。
これを見て分かるとおり、多くの区分マンションは
「管理費・修繕積立金」が必要なので、
収益を上げにくい傾向があります。
どうしてもこれを省きたい方は
「自主管理」のマンションを探してみてください。
そうすれば管理費・修繕積立金の必要がありません。
【マンションの管理組合と自主管理】
多くのマンションは管理組合を作って管理費を徴収しています。
管理費を集めて共有部分の清掃を業者に依頼したり、
修繕積立金を管理したりしてマンションを維持しています。
しかし、一部マンションでは自主管理という形態を取っています。
どういうことかというと、
「掃除や積立は自主的に各々でやってください。」
というマンションです。
多くの場合はちゃんと管理できておらず、
ボロボロの物件ですが安く購入できるメリットもあります。
購入経費
購入にかかる基本的は経費は次のとおりです。
- 仲介手数料
仲介手数料の計算は下表のとおりです。
仲介手数料 計算式 200万円以下 売却価格×5%+消費税 200万円超 400万円以下 売却価格×4%+2万円+消費税 400万円超 売却価格×3%+6万円+消費税
ざっくり3%で計算しても良いでしょう。 - 印紙税
売買契約書に印紙税が必要です。
国税局ホームページを参考にしてください。
軽減措置が取られている場合があります。 - 登録諸費用
これは登録免許税と司法書士手数料です。
依頼する司法書士によって金額が変わってきます。
相見積もりやネットで安い司法書士を
見つけることで節約できます。ざっくり計算するときは物件価格の
1~2%で計算すると良いでしょう。 - 不動産取得税
これが意外に厄介で忘れた頃に請求が来ます。
不動産取得価格の2%で計算すれば良いでしょう。
購入するときは忘れずにお金を用意しておいてください。
2%でも、それなりの額になるので結構ビビります(笑) - 融資諸費用
銀行から融資を受けるときに必要な経費です。
融資の金額や銀行によって手数料が変わるので購入価格の
1~2%ぐらいで見ておけば良いでしょう。
もちろん、現金買いなら不要な経費です。
と、ここまで購入時の経費を見てきましたが、
「いちいち調べてらんない!」
って、思った方もいるでしょう。
でも、いちいち調べてください。
この計算をちゃんとしていないと
物件を買ったあとに、
「自己資金が足りなくて経費が払えない!!」
「思っていただけの利益が出ない!!」
って、ことになります。
特に1件目でそんなことになると後が厳しいですよ。
実質利回りは何に使うのか?
実質利回りは表面利回りより、
よりリアルな数字です。
おおよそ表面利回りと実質利回りで
2~3ポイント程度のギャップがあります。
この程度であれば問題無いということです。
問題はそうでは無い場合です。
どういうケースが考えられるかというと、
- 物件の固定資産税評価が高すぎる
家賃の割に建物や土地の評価が
高すぎる場合があります。例えば建物が多き過ぎるとか
土地が広すぎるとか。
無駄に大きいと収益を
圧迫するので注意が必要です。 - 管理費・修繕積立金が高い
物件が割安で検討を進めると
管理費・修繕積立金が高いケースがあります。スパやジムがあり管理コストが高い、
コンシェルジュいて管理費が高い、
修繕積立金の不足があり高額になっているなどのケースが見られます。相場はワンルームで1~1.5万円、
ファミリータイプ3LDKで2~2.5万円
というところでしょうか。これ以上なら注意が必要です。 - 管理会社の管理費が高い
これは一棟物やオーナーチェンジ物件の
場合に注意が必要です。以前のオーナーが家賃の7%とか8%とか
高い契約をしているケースがあります。
一般的には管理会社の契約を
引き継ぎますが高すぎる場合は購入後に
管理会社を変えて節約できます。
固定資産税や管理費・修繕積立金が高すぎる場合は
物件購入を諦めるしかありません。
いくら安くで購入しても、
収益が上がらなければ意味がありません
からね。
まとめ
表面利回りと実質利回りを比較することで
ランニングコストや購入時のコストに
問題がないか確認できます。
いくら物件価格が安くても経費が
利益を圧迫しては意味がありません。
最悪、赤字というケースも考えられます。
そうならないためにも必ず自分で経費を
調べて計算するよう心がけてください。
「自分で調べて、自分で計算する。」
これをやらないと相場観が身につかないし、
成長できませんからね。