今回は不動産投資で最も重要な計算
ROIについて説明していきます。
私はROIという言葉を知ってから、
不動産投資だけではなく会社の仕事や
自己投資でも考えるようになりました。
これは不動産投資だけではなく、
人生の投資において最重要だと考えています。
ROIを学ぶ前にまだ実質利回りの勉強をしていない人は
下の記事を先に読んで勉強してからのほうが、
より理解できると思いますよ。
さて、今回は不動産のリアルな収益が 丸わかりになる計算について話していきます。 不動産投資するとき、当たり前なんですけど 色々な必要経費がかかってきます。 これを正[…]
ROIとは何なのか?
ROIとはReturn On Investmentの略です。
自己資金に対する1年あたりの回収率を表します。
借入の多い不動産投資では重要な項目となります。
これは株式投資のROEやROAに通じるものがあります。
- ROE=利益÷自己資本✕100 (ROIに近い)
- ROA=利益÷資産✕100 (表面利回りに近い)
表面利回りとROI
いくら表面利回りが良くてもROIが悪ければ、
いつまでたっても自己資金が回収できません。
自己資金の回収に時間がかかると、
次の物件への投資がどうしても遅くなります。
ROIを高めていくと投資のサイクルが早くなるので
収支シュミレーションをしっかりやりましょう。
例えば、
表面利回り10% → 実質利回り8% → ROI10%
と、いうような基準を決めてスクリーニングをすると良いでしょう。
ROIを高める
ROIを高めるためにはキャッシュフロー、
つまり手残りを多くしていく必要があります。
キャッシュフローは家賃から次のものを引いて計算します。
- 管理費・修繕積立金
- 委託管理費
- 組合費や自治会費など
- 固定資産税・都市計画税
- 税金:所得税や住民税(法人税・住民税)
- 借入金の返済
- 減価償却費(支払いは無いが不動産投資にとって非常に重要)
家賃からこれらの諸経費を引いて最終的に
手元に残るお金をキャッシュフローと言います。
例えば、下のような割合で表面利回り10%
物件価格1000万円の物件を購入したとします。
【良い例】
年間家賃 100万円
ローン返済 ―70万円
ーーーーーーーーーーーー
CF 30万円
ROI=CF÷自己資金×100
=30万円÷100万円×100
=30%
3年ちょっとで自己資金が手元にお金が返ってくる!!
【悪い例】
年間家賃 100万円
ローン返済 ―130万円
ーーーーーーーーーーーーーー
CF ―30万円
ROI=CF÷自己資金×100
=―30万円÷100万円×100
=―30%
つまり、いくら表面利回りが良くても
キャッシュフローが悪ければ自己資金の回収どころか
持ち出しになってしまうんです。
これを避けるために、できるだけ長期での借り入れや
できるだけ減価償却費を高めるなどの工夫が必要になってきます。
実際のキャッシュフローの計算方法
では、実際にどうやって計算するのか?
キャッシュフローの計算は下表のようになります。
項目 | 計算例 | 備考 |
---|---|---|
総家賃収入 | 100万円 | |
- 管理費・修繕積立金 | -15万円 | |
- 委託管理費 | -5万円 | |
- その他諸経費 | -1万円 | |
- 固定資産税・都市計画税 | -10万円 | |
実家賃収入 | =69万円 | |
- 返済利子 | -2万円 | 利子は経費になる。 |
- 減価償却費 | -30万円 | 法定耐用年数による。税引き後に戻す。 |
- 所得税・住民税 | -5万円 | 法人であれば法人税。 |
税引前利益 | =32万円 | |
+ 減価償却費 | +30万円 | 実際には現品出費が伴わない。 |
- 返済元本 | -40万円 | 資産として残る部分になるため経費にはならない。 |
キャッシュフロー | 22万円 |
このように計算することができます。
これを購入時の自己資金で割ると、
ROIを計算することができます。
ROIは最低10%以上、
20%を目標にすると良いでしょう。
つまり、5年で自己資金の回収を終わらすことを目標にします。
よく、新築ワンルームマンション販売の営業トークで使われるのが、
「家賃8万円-ローン返済7万円=キャッシュフロー1万円となるんですよ。」
これは、全くのウソです。
正しくは下記の計算例となります。
家賃収入 | 8万円 |
---|---|
ローン金利 | -1万円 |
税引前利益 | =7万円 |
税金(30%) | -2.1万円 |
税引き後利益 | =4.9万円 |
ローン返済(元本) | -6万円 |
キャッシュフロー | =-1.1万円 |
全てのワンルームマンション投資が
悪いわけではありません。
大事なのは購入する前に営業マンの言うことを
鵜呑みにするのではなく自身でしっかり計算することです
ROIの計算は手間がかかります。
でも、これが自分で計算できていなければ失敗に繋がります。
だから、ちゃんと計算する練習してもらいたいんですよ。
まとめ
ROIは不動産投資だけでなく普段の生活でも使える考え方です。
不動産投資は経営であり自分の責任が問われます。
だから自分でしっかりと計算して物件を評価してくださいね。
そして、本当に物件を購入するときには、
30年以上の物件シミュレーションができる
物件試算表を使って計算しています。
これはコンサル受講生さんにもお渡ししています。
不動産投資の収支は減価償却や返済利子など年々変化する数値があるため、
初年度だけの計算をしても数年後に赤字に転落なんてこともあるんです。
そうならないためにも長期間のシミュレーションができる
スプレッドシートを使って計算するようにしています。
さすがに35年分を手計算するのは無理がありますからね(^^;
でも、計算しないで物件を購入するのは
ハイリスクだってことを覚えておいてくださいね。